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ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

金色に輝く浅草のサンセット。TOKYOにも美しい空がある。

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季節が夏から秋へと変わる頃、浅草の夕景は美しい空の変化を見せてくれる。といっても美しい空の変化を楽しめるロケーションはごく限られている。浅草の対岸の隅田川沿いでなければ美しい夕景のパノラマは眺められないのである。日没の少し前の時間に浅草寺を出て隅田公園へと向かい徒歩10分程で隅田川に掛かる桜橋に到着する。この橋を渡り対岸の遊歩道を下流の吾妻橋方向に向かって歩くと美しい夕景のシーンが望めるのだ。遊歩道の左手は首都高速6号線の高架が地上高い位置を走っているために墨田区側の対岸沿いに住んでいる人たちは目の前に立ちはだかる首都高速に遮られて、この美しい夕景を眺められない。反対に浅草寺の側からはビル群に遮られてやはりこの雄大な風景は望めない。秋の夕暮、ほとんど人通りのないこの遊歩道を歩きながら黄金色の空が、隅田川に面して建つビル群の黒いシルエットの後方で刻々と変化してゆく様をゆったりと流れる隅田川の川面越しに眺めていると、東京の空も捨てたものでは無いな、と思えてくる。美文家で知られたフランスの小説家カミュの言葉を借りると、「永劫に繰り返される金色の夕暮れ」の光景がここには存在している。遊歩道脇の草むらから聞こえてくる虫の音も秋の風情を楽しむための効果音だ。東京の真ん中でこれだけ空を広く感じさせてくれる隅田川の存在と言うものを、浅草界隈に暮らすようになってはじめて気付かされたような気がする。浅草を訪れる機会のある方々には、この秋、黄昏の空を眺めながらの隅田川散歩をぜひおすすめしたい。