ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「アメリカは我々を犬のように扱う」、ドゥテルテ大統領を侮ると危険である。

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来日したフィリピンのドゥテルテ大統領。いま世界中が彼の非常識とも取れる発言の数々にクギ付けになっている。とりわけアメリカに対する発言は過激すぎてアメリカ政府の報道官は「真偽を疑う」とまで発言している。しかし、今回の日本訪問で、阿部首相がドゥテルテ氏に過激発言の真意を尋ねたところ「アメリカは我々を犬のように扱い、遠くにエサを投げる」と説明したという。この発言は即座にアメリカにも報道された筈だ。アメリカの高官はこれを受けて反省し、フィリピンに対する高所からの物言いを改めざるを得なくなる。そういう計算ずくの外交手法は、先の中国訪問でも見て取れる。国際仲裁裁判でフィリピン側が中国に100%勝訴した件について彼は中国政府に一切語らずに「アメリカとは決別する」とまで言い放ち、中国政府から1兆4000億円の巨額の経済支援を取り付けたのである。さらに今回の日本訪問でも「我々はつねに日本の側に立つ」といいつつ50億円の円借款と大型巡視船の供与を取り付けた。日本製の高性能な巡視船はもちろん中国を牽制する強力な武器になる筈だ。超法規的な麻薬取締で一躍世界中に名を馳せたドゥテルテ氏だが、彼は、法律家の父と教師であった母のもとで育ち、大学卒業後は法の番人である検察官、そしてフィリピン第二の都市ダバオ市長を28年の長きに渡って務め、フィリピンで一番安全な都市を創り上げた人物である。ドゥテルテ氏は、中国が、アメリカが、そして日本が、フィリピンを「犬のように扱う」と感じたら即座に噛みつく頭の良い人物なのだ。世界は彼を侮ってはいけない。