ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ミシュランもギネスも、「巧妙な手口」を使って社名をあなたに憶えさせる。

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食通ぶった人たちが良く口にしている「あの店はミシュランの3つ星だよ」とか物知りぶった人たちが良く口にする「縄跳びのギネス記録は」など、ひんぱんに話題にされるこれら2つのカタカナ文字はいずれも外国の会社の名前である。ミシュランはフランスの自動車タイヤメーカー、ギネスはイギリスのビールメーカーの名前である。「レストランの格付け」も「いろいろな世界記録」もそれぞれの会社が自社の知名度アップを目論んで仕掛けたパブリックリレーションズという実に巧妙なワナなのである。これは普通の宣伝(アドバタイジング)という消費者に直接的に訴える方法とは異なり、一般大衆に向けて会社の名前を間接的に記憶させるために仕組まれたいわば形を変えた宣伝手法なのだ。この手法をわが国では英語の頭文字を取ってPR戦略と呼んでいる。つまりこのPRの元祖と言えるのが1930年に始まったミシュランタイヤの星による「レストランの格付」と1955年に始められたギネスビールの「さまざまな世界記録」というわけだ。同じ戦略の元祖と言えばハワイのワイキキでフラダンスを世界中に知らしめた写真フイルムメーカーコダック社の「コダックフラショー」は65年も前に始められたPR戦略として有名だ。さて、先に述べた2つの会社のワナとは気付かず世界中の多くの人々が何の抵抗感も持たずにミシュランとギネスという会社名をしっかりと覚えてしまっているわけだから「宣伝」よりも「PR」の方がより優れた消費者へのコミュニケーション手段といえるだろう。これまでにレストランの格付けやいろいろな世界記録について話すとき、もしあなたがこの2つの社名を口にしていたとしたら、2つの会社の知名度アップを知らず知らずの内に手伝っていることになるわけである。ミシュランタイヤそしてギネスビールどちらの会社も自社の社名を消費者に巧妙なワナを使って記憶させてしまうという実に「あっぱれ」なPR戦術を考え出したものだと、つくづく感心させられる。