ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ニセ物を国宝級とは「なんでも鑑定団」は視聴者をナメている。

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昨年末に、現存するものが世界に3つ、しかも3つすべてが国宝に指定されている幻の茶碗「曜変天目茶碗」の4つ目を発見したというニュースがテレビ番組「なんでも鑑定団」から発表されたのは記憶に新しい。茶碗の内側に「宇宙が存在する」と表現されるこの幻の茶碗は現在の技術でも再現することが困難とされているが、親子二代にわたって曜変天目の再現を研究し続ける陶芸家の長江氏は、番組を見た限りでは「光彩・顔料・模様が明らかに本物とは異なる」と言い、同じ番組を見た中国の陶磁器研究者孫建興氏も「これは現代に焼かれた偽物の曜変だ」と断じた。さらに、中国陶磁の研究者である沖縄芸術大の森教授は「明確な丸い斑紋が認められない・斑紋の周囲に光彩がない・茶碗の外側にまで斑紋が出ることはありえない」と具体的に指摘して偽物と断定した。こうした、専門家からの具体的な偽物としての多くの指摘がありながら「なんでも鑑定団」側は「鑑定結果は番組独自の見解です。(ご指摘の件)に特にお答えすることはありません」とニセモノ騒動に知らぬふりを決め込み、この曜変天目茶碗を本物であると鑑定し、本物であれば10億円以上する茶碗をわづか2500万円と安く評価した鑑定士中島誠之助氏は「ノーコメント」を貫いている。国宝級の発見であれば学術的な研究結果をもとに複数の専門家が真贋を判定するのが常識だが、この番組では学識経験のないただの陶磁器鑑定士ひとりが真贋を判断するという視聴者を舐めたようなズサンな鑑定を行っている。番組を制作した「テレビ東京」は、知らぬふりを決め込まずに専門家委員会を設置してあらためて「真贋」を鑑定し直し、番組視聴者に「事の真相」を明らかにすべきだろう。それがテレビ局としての「良識」と言うものだ。