昨日発表された米国最高峰の音楽祭典グラミー賞。受賞した歌手の顔ぶれを見てアメリカの音楽評論家が「ソニーには最高の夜だ」と評したと言う。ソニーと楽曲販売の契約をしているイギリスの女性歌手アデルがグラミー賞主要3部門を含む5部門を制し、同じくソニーと契約している米国の歌手ビヨンセが2部門でグラミー賞を受賞するなどまさに日本発の音楽企業ソニーミュージックにとって最高の夜だったことは間違いない。音楽には素人だった日本の電機メーカーソニーが音楽事業に参入したのは47年前の1968年、その20年後の1988年にアメリカのCBSレコードを買収して世界の音楽産業へと進出し、マイケル・ジャクソンやボブ・ディラン・ビヨンセなどの楽曲を発売、1995年には世界的な音楽遺産でもあるビートルズの版権を独占所有するまでの企業へと大きく成長したのである。2000年代に入ってCDの需要の衰退など音楽産業は世界的に低迷していたが、iTuneや楽曲のダウンロードで再び音楽需要は息を吹き返しつつある。今回グラミー賞を独占した勢いをそのままに、いまや世界の音楽企業へと大きく成長した日本のソニーが、スマホやインターネットを通じたソフト配信ビジネスなどで低迷を続ける世界のミュージック界を再び隆盛へと導いてくれることを日本人の一人として願ってやまない。