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ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

自らの死を予言したオーティス・レディングのドックオブザベイ。

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いまやR&Bのスタンダード曲となったオーティス・レデイングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」。この名曲をレコーディングしたわずか3日後にオーティス・レディングは飛行機事故で亡くなった話はあまりにも有名だ。レコーディングに際して「この曲は俺にとって初めてのミリオンセラーになるよ」という予言を残して亡くなったオーティス・レディング。その予言は見事的中し、ビルボードHOT100で1位、R&B部門で1位という輝かしい大ヒットを記録する名曲となったのである。死の3日前に行われたレコーディングはリミックス(再構成)する予定もあったが急きょ効果音に「波の音」を加えただけの状態で曲は完成された。故郷のジョージアの田舎から出てきたオーティス・レディングがカリフォルニアの波止場に佇み、自分の将来への不安感を切々と歌ったこの曲は聞く人の胸に響く哀愁が漂っている。この曲の中で聴く人の心に残るオーティスの口笛によるエンディングが最も印象的だが、実はこの部分、当初はオーティス自身が「語り」を入れる予定だったのだと言う。レコーディングの本番で何故かオーティスが、そのセリフが突然出て来なくなってしまい、急きょ口笛を吹いて曲を完成させたのだと言う。あの哀愁感漂うドック・オブ・ザ・ベイのエンディングの口笛は、3日後に迫った「死への旅立ち」を予言するかのようにどことなく寂しげなサウンドだ。オーティスはなぜこの曲のヒットを予言し、歌詞の中で人生への不安を語り、レコーディング本番でなぜ突然セリフを失ったのか。そして彼が最後に語りたかったセリフとはいったいどんな言葉だったのか。いくつもの謎が今もって謎のままだからこそ、この曲が人々の心に残る名曲に成り得たのかもしれない。ともあれ、この「ドック・オブ・ザ・ベイ」の口笛によるエンディングは、聴く人の心の奥まで入り込むオーティス・レディング自身によるレクイエム(鎮魂歌)のフレーズであることは間違いない。