ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ジャニス・ジョプリンの魂の叫び「サマータイム」。その訳は故郷に有り。

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80年以上前、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインがミュージカル「ボギー&べス」の挿入歌として作曲した黒人のララバイ(子守歌)「サマータイム」。ビリー・ホリディやアームストロングなど名だたるミュージシャンがカバーしてきたこの名曲の最高の歌い手を挙げるとすれば1960年代のロックシンガーの女王と称されたジャニス・ジョプリンに尽きるだろう。この詞は黒人の母親が夏の季節に赤ん坊を寝かしつける唄だが唄の最後は母親が幼子に自分の夢を託す歌詞になっている。「あなたが大きくなったらある朝突然に歌いだしてその才能を発揮するはず、そしてあなたは広い世界へと飛び出してゆくのよ」このフレーズのジャニスの歌い方が兎に角凄いのだ。聴く人の魂をゆさぶるように心の奥から振り絞るような低い声で絶叫するかのようにジャニスは歌う。ヘロイン中毒で27歳の若さで夭折した天才歌手ジャニス・ジョプリンは死の4か月前に出演したテレビ番組の中で「自分は子供時代クラスや学校、町そして国中の笑いものだった」と自分の人生における疎外感や孤独について語っている。そしてその孤独を紛らすための麻薬の常習。人種差別から脱け出すことを夢見た黒人のララバイ「サマータイム」の絶唱は、故郷のテキサスを恨みを残したまま跡にしてアーティストの世界へと羽ばたき、魂のロックを歌い続けたジャニス・ジョブリンの孤独な人生そのものと、まさにオーバーラップするでは無いか。まだ聴いたことの無い方が居たらYouTubeJanis Joplinと入力して、ぜひ聴くことをお勧めしたい。