ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ノーベル文学賞カズオ・イシグロを日本人だと言うマスコミの無茶ブリ。

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2017年度のノーベル賞受賞者に日本人は一人も入らなかった。この時期のマスコミの格好の話題が途切れたことでさぞや落胆するかと思ったらノーベル文学賞受賞者にカズオ・イシグロの名前を見つけたマスコミは大喜びで飛びつき彼の故郷が長崎で5歳までは日本に居住していた事がニュース狂想曲になった。しばらくは彼の生地の長崎にいるであろう親戚や知人を引っ張り出して日本中が大騒ぎするだろう。しかし残念ながら彼は列記としたイギリス人なのだ。ネット上でも「カズオ・イシグロって誰」という言葉が飛び交うほど日本人の間で彼の存在を知っているのは、イギリス文学に精通したごく一部の人達に限られるだろう。カズオ・イシグロ氏本人も日本人と言う意識は全くないようだ。日本語を全く話せず、自分の作品には日本の小説との類似性は無いと語り、27年も前のイギリスでのインタビューで「もし偽名で作品を書いて、その表紙に別人の写真を載せれば(この作品が)日本の作家を思わせる、などという読者は誰も居ないだろう」とまで言い切っている。1989年に来日した際には「私はこの他国(日本)の強いイメージを頭の中に抱えながら育った。英国で私は想像上の日本というものをつねに頭の中に思い描いていた」と自分が異邦人であることを明言しているのだ。彼のこうした立ち位置を無視して、あたかも日本人で3人目のノーベル文学賞受賞者が輩出したかのようにカズオ・イシグロ氏を日本のマスコミが扱うことは、彼の国籍があるイギリス国に対しても失礼極まりない事では無かろうか。