ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

オズの魔法が2度のピンチを救った名曲オーバー・ザ・レインボー。

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ミュージカル映画オズの魔法使い」のなかで主役の少女ドロシー役を演じたジュデイ・ガーランドが歌った劇中歌「オーバー・ザ・レインボー」。いまでは誰でもが知っている古典的な名曲だが、この曲が誕生するまで2度もおクラ入りになりそうなピンチがあったのだ。1度目はこの曲を作詞したエドガー・ハーバーグによる強い反対があった。「この曲は主役のドロシーが歌うには大人び過ぎている」と彼は主張し作曲したハロルド・アーレンの根気強い説得によってようやっと作詞を手掛けたのだと言う。ドロシー役に抜擢されたジュディ・ガーランドは当時16歳、幼く見せるために胸を抑えたりスカートを短くしたりと苦労したと言う逸話がある。つまりこの物語のイメージとして主役のドロシーは14歳ぐらいの少女という設定だったのだ。ようやくジュディ・ガーランドが歌うシーンが撮影されサウンドトラック用の録音も終了した時点で、今度は映画会社の幹部から「14歳の少女が歌うには大人びた曲で相応しくない、歌のシーンをカットするように」という意見が出されたのだ。1度ならず2度もおクラ入りのピンチにあったこの曲を救ったのはこの映画のプロデューサーであったアーサー・フリードだった。ジュディが歌ったこの曲を気にいっていた彼がカットに猛反対して最後の土壇場で劇中歌として生かされることになったのだと言う。「名曲にドラマあり」オーバー・ザ・レインボーはこの映画が上映された後にアカデミー歌曲賞を受賞、まるでオズの魔法にでもかかったかのように名曲になる道を歩んできたのである。