ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ソウルの神様レイ・チャールズは、なぜ「いとしのエリー」をカバーしたのか。

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日本のロックバンド界を代表するスーパースター「サザンオールスターズ」。その代表曲である「いとしのエリー」が、これまたアメリカを代表するソウル・ミュージック界の大御所レイチャールズによって29年前の1989年にカバーされた事に当時驚かされた日本人は多かった。「ホワッドアイセイ」や「我が心のジョージア」などのヒット曲で名高い盲目の「ソウルの神様」レイチャールズがわざわざ日本のロック曲をカバーしたのは一体なぜなのか。実は彼自らが望んでカバーした訳ではなく、日本のウィスキーサントリーホワイトのCM曲としての注文に応えたカバーだったのだ。サントリーからの要請で日本の曲をカバーして歌うことを求められ、レイチャールズは日本側から提示されたいくつかの日本のロック曲の中から「いとしのエリー」を気に入って選んでアレンジしたものでサザンの原曲の歌詞とはかなり異なる別の歌詞に仕上げられている。CMづくりの仕事上で選んだ曲ということでこのCMが日本のテレビで盛んに流されていた時期の来日コンサートでもレイチャールズはこの歌を歌うことは決して無かった。公演の後の記者会見で「いとしのエリー」についての感想を求められたレイチャールズは「そんな曲は知らない」とまで答えている。CMソングと自身のオリジナルソングとをハッキリ区別したかった為の発言と思われる。確かにレイチャールズのカバー曲「Ellie My Love」は日本だけの限定CM曲でありアメリカのレイチャールズファンの間ではまったく知られていない歌なのだ。日本の洋酒メーカーが金に物を言わせてレイチャールズにカバーさせた「Ellie My Love」。今となってはあのバブル経済時代の遺産の一つなのかもしれない。